ブータンを旅行した人の書いた旅行記を読む。
ブータンへの外国人の旅行はすべて政府が管理していて、年間4000人ほどしか受け入れず、しかも滞在費用は一律一日$220とるという。$220のうち35%が政府へ納めるお金である。
1日$220で、年間4000人、一人が平均2週間滞在するとすると、政府の収入は約5億2000万円。
ブータンは人口60万人なので、日本の人口規模に合わせて2000倍にしてみると、約1兆300億円。
これは相当大きな規模の収入と言える。
それに残りの65%もホテルや食事などとして民間に落ちる。
隣国のネパールでは無制限に外国人が訪れるので、キャンプのために木が切られ、汚物で汚染が進んでいるという。
しかし、ブータンでは外国人の入国制限をしていることで、山の環境も保全され、豊かな自然が残っている。
そのことと年間4000人しか行けないという希少価値のおかげで、ブータンへ行ってみたいという人は減ることはないだろう。
滞在費が高額だから旅行客はリタイヤした裕福な人々が中心で、人数が少ないので、治安の悪化の心配もなく、外の文化が急激に入ってくることもない。
読んだ本の著者は、共産主義国家みたいな非効率が残っているから高額なんだ、と言う。外から来る人から見ればそれは困ったことなのかもしれない。しかしこれこそが、希少価値と客単価を高めて大きなリターン、というブータンの戦略なんじゃないだろうか。
日本の自然の豊かな自治体もこういう半鎖国政策をやったらどうだろう・・・・住民がいなくなるかな。